2020年2月16日日曜日

川崎重工自動車事業部東京工場

カメレオーンに追われアラプト王国のマリア王女が迷い込んだ廃工場は多摩市東寺方(ひがしてらがた)にあった廃工場。
スタッフに呼ばれ廃工場にやってきた監督
工場設備は何も無くガラスは割れ埃を被っている。出入り口の上にも窓があり階高が高そうな事が分かる。
監督が襲われる現場を目撃してしまったマリア王女と藤兵衛が出会う。そこにカメレオーンが現れ…
カメレオーンの背後の建屋には19、その横は順当にいけば18。複数の建屋があるそれなりに規模の大きい工場だろうか。

逃げる王女の前に城茂登場
茂の前にある影、カメレオーン横にある水槽に映る格子状の骨組みからヒサシ、もしくは屋根の類の物が建物につながる事が確認出来る。また建屋の少し先には万年塀が見える。
生田周辺の多摩エリアでこれらの条件が合う場所をひたすら航空写真から探すこと数年…ありました。多摩市の東寺方、現在は東寺方住宅が建つ辺りに数棟の建屋を有した工場らしき施設。
ばつ印の辺りで撮影があったとすればカメレオーン背後の「19」と「18」の位置関係は左側の番号を振った 建物だろう。映像で確認出来るそれぞれが少し角度がついて並ぶ様も一致する。
また右側には2つの建屋の間を白い屋根がつないでいるように見える。またさらに右の道路に面した側には 万年塀があって然りだろう。
×の下(南)側の建物は影からすると他の建物より少し高くなっていて監督が誘い込まれた建物はここではないかと推察される。
手元にあった1978年度版の住宅地図によると「川崎重工自動車事業部東京工場」だということが分かった。 現在の川重は特殊な4輪車を除いて自動車を製造していないが1950年代には戦後のモータリゼーションの波に押され自動車開発を手がけたが他社に出遅れて開発を断念、2輪に専念したそうだがここもそれに関連した施設だったのだろうか。
ちなみに工場の下(南)にある多摩スポーツセンターは仮面ライダーX 第15話「GOD秘密基地!Xライダー潜入す!!」でGOD警備課体育館として使われた施設。現存している。
78年ごろ工場施設は解体、跡地には現存する東寺方住宅(79年完成)が、敷地北端には東寺方図書館が建っている。撮影に使われた場所はその二つの間辺り。現在と対比するとこんな感じ。後方のオレンジ色の建物は隣接する多摩市総合体育館。
出典:仮面ライダーストロンガー第11話「カメレオーン!悪魔のフィルム!?」

2020年2月15日土曜日

よみうりランド駅前ロータリー

ブラックサタンは世界最大の石油産油国アラプト王国から日本への輸出を阻止するため来日したカザール国王親子を狙う。
1度目の襲撃で失踪したマリア王女を追うカメレーン。
カメレオーン2戦目は京王相模原線よみうりランド駅横に鉄骨の生えたコンクリート塊が幾つも転がっていた建築廃材置き場、現在のよみうりランド駅のローターリー付近での撮影。
ストロンガーの背後にトタン屋根の小屋が幾つか確認出来る。この廃材置き場を所有する会社のもののようだ。
 このカットでは後方に駅からよみうりランドをつなぐ動く歩道スカイロードの水色の軌道がわずかに確認出来る。現在はロープウェイに変わったが楽器メーカーのコルグ本社とよみうりランド本社ビルで見通せない。
 右後方には唯一現存する2階建ての倉庫(1階部分が増築されている)を確認。撮影位置からは見通せなかったので少しずれて撮影。
アクマイザー3第23話オオカミーダ戦、ナイトシーンだが駅の高架側から駆け上がる描写があり同じ場所だという事が分かる。
 ロボット刑事第25話ガトリングマン戦。こちらでははっきりスカイロードが確認出来る。
仮面ライダーX第33話恐らくよみうりランドのタワーからの撮影でスカイロード越しに現地が確認出来る。
出典:仮面ライダーストロンガー 第11話「カメレオーン!悪魔のフィルム!?」

2020年2月14日金曜日

沖縄師範健児之塔

上手く潜入したつもりが秘密結社ゼロに拉致されてしまう芝たち
アジトの描写で最初に映し出される海岸は摩文仁の丘の展望台からの眺め。 
芝達が連れて行かれたアジトへ続く階段は平和記念公園の南側、沖縄師範健児之塔(おきなわしはんけんじのとう)へ続く途中の階段。
 カラテマン達の乗った車を追ってアジトを突き止めたK
いつの間にか拉致されていたチヨとジロウ
チヨ達がいるのは生徒達が米軍に追われ逃げ込んだガマ(壕)の一つだろうか。
沖縄師範健児之塔とは鉄血勤皇師範隊に動員され命を落とした沖縄師範学校の生徒達を祀った塔で、ひめゆりの塔ほどの知名度はないがここも罪の無い沖縄の人たちが命を落とした痛ましい戦争の歴史を後世に伝える貴重な場所。こういった場所をロケ地にチョイスしたのは脚本を担当した沖縄出身の上原正三とロケのコーディネートを手伝ったという上原の同郷の友人で脚本家仲間でもあった当時所属していた円谷プロを辞め沖縄に帰郷した金城哲夫の思いが込められて込められていたのだろうか。恥ずかしながら私自身もここの事を知らず、このロケ地を調べる過程で改めて知る事が出来た。

出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」

奥武橋

那覇港から車で逃げる謎の女リンを追うKのジョーカー
2台の車が渡る橋は那覇から南東に少し離れた南城市の奥武島(おうじま)と本当をつなぐ奥武橋。進行方向は島から本島側へ渡っている。
当時は古い石造りの橋だったが現在は鋼製の物に変わっている。
続く牛に追跡を妨げられるシーンもこの近くかと思ったが生憎特定出来なかった。

出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」

旧琉球政府行政府ビル前

芝と新條も拉致されKは1人、敵のアジトと手がかりを知る謎の女リンを探し捜査を続ける。
ジョーカーが走って行く道は県道42号の旧琉球政府行政府ビル、当時返還間もない沖縄県庁第1本庁舎前の通り。中央のクリーム色の建物が行政府ビル。前の植え込みには3年後に開催を控えていた沖縄海洋博の看板が確認出来る。本土復帰を記念する一大事業だったのだろう。
平成2年までは県庁舎として使われていたが現在は現代的なビルにその役を譲り、跡地には議事堂が建っている。県庁前の通りもほとんどが建て替わってしまっている。
ロボット刑事から2年後、「ゴジラ対メカゴジラ」(1974)でも同じようなカットが登場する。
Wkipediaより1953年庁舎完成時の写真。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」;映画「ゴジラ対メカゴジラ」

2020年2月13日木曜日

パシフィックホテル沖縄

リンの乗った車を追ったもののうまく巻かれてしまったK。
追跡を断念し芝たちと共に投宿した宿はパシフィックホテル沖縄。大きく増築されているものの往時の雰囲気を残している。
 車寄せに入ってくるジョーカー
ロビーにて次の作戦を練る芝達。
増築と耐震補強で若干構造は変わったが壁に飾られた絵もそのまま残る。
姿を消したはずのリンがホテルに姿を現した。
3基並んだエレベーターはほぼ当時のまま。
エレベーターに乗ったリンを階段を走って追うK
吹き抜けになった階段も増築の影響か構造が少し変わっている。
屋上まで追うものの再び姿を見失う。
流石に屋上には出られず、筆者が宿泊した部屋から撮影してみた。階高が足らないのもあるが当時周囲には背の高い建物がほとんど無かったが現在は見通せないほどにホテルやマンションが立ち並ぶのは東京と同じ。
拉致された芝達を探し一旦ホテルに戻るK
部屋に入る際に向かい側の部屋番号が見て取れる。が、後ろの部屋番号ばかり気になって肝心のKが入った部屋の番号を確認するのを忘れてしまった。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」

パシフィックホテル沖縄 オフィシャルHP
沖縄県那覇市西3丁目6
沖縄本土返還前の昭和43年から営業する老舗観光ホテルで、ロボット刑事撮影時は出来て間もなく恐らくタイアップで撮影の拠点として利用されたのだろう。若干設備が古いのに目を瞑れば立地も良く価格も安いので現地までロケ地巡りにいく事があれば宿泊した方がいいだろう。

平和祈念公園

トラックを見失ってしまった事に気づくK
ここは沖縄の平和祈念公園の一角、埼玉出身者の沖縄戦及び南方戦線での戦没者を合祀した"埼玉の塔"の前。
 Kの背後のモニュメントは「7体の鉄像は、たとえ故人が戦いによってその生命が断れても、その精神的生命、なかんずく平和希求への至情は、植物の世界にかえって不断の生命をやどす草のように生き続け、たえず平和な人類社会の創造へと呼びかけている姿を抽象化し表現したもの」(沖縄県平和祈念財団HPより)との事。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」

名護の七曲り

芝たちが潜入したトラックを追跡するジョーカー
この道はかつて"名護の七曲りと呼ばれた"読谷村から名護まで続く海沿いのカーブが連続する県道6号の仲泊、現在の恩納村博物館近く。ロボット刑事撮影後に75年の沖縄海洋博覧会を機に連続カーブを解消する片側2車線の広いバイパスが通され、一部カーブがバイパスと重なるため消失。またその際にバイパスの内陸になった部分が埋め立てられた為、海沿いではなくなっている。

当時は片側が護岸になった道だったが埋め立てられ現在の恩納村博物館の駐車場になった。
 トラックの先に見えるのは旅館山田温泉。現在は高級リゾート"ルネッサンスリゾートオキナワ"が建つ。
 続くカットは先のカーブをカメラ位置を変えて撮っている。ジョーカーの右側、大きな岩があって直ぐ海になっていたが現在は博物館駐車場。このエピソードが撮られた1972年の時点ではまだ車は右側走行だった。1978年7月30日に憲法により国内に準拠した。地元ではこれを周知させるキャンペーンを施行日からナナサンマルと呼んでいた。
Kの尾行に気付いた手配師はパイナップル畑に隠れて追跡を巻く。
ここは地形からの推察すると先の七曲りから大きく離れた平和記念公園近くだと思われる。沖縄ならあちこちにありそうな場所に思えたが、遠く後方に見える岬の形状と畑の立地条件を撮影に使われたエリアから絞っていくとこの後のシーンが撮られた記念公園近くのここしかないと言う結論に至った。このトラックが走った道の辺りはのちに沖縄清明の丘公園と言う霊園が作られ見通しが効かなかったので南側にある採石場から撮影したが見事に岬の形状が一致した。
この場所は同エピソードBパートでカラテマンとリンの乗った車を追跡するシーンでも同様のアングルで使われている。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」