2025年8月21日木曜日

真栄田岬

夕陽に照らされる中、 バドーに拉致された比留間親子を助け出すとチヨとジロウに誓うK
Kと姉弟が立っていたのは恩納村の真栄田岬。県内でも有数の夕陽の綺麗なスポットで、近年は近くにある"青の洞窟"と呼ばれる海蝕洞がシュノーケリングやダイビングの人気スポットとなっている。前回8年前の沖縄探訪時には特定出来ていなかったが一昨年11月にHIDE男氏の計らいで本エピソードで助監督を務められた高橋正治氏にお話を伺った際にお見せいただいたロケ時の記念写真に劇中より若干周囲がわかる1枚があり場所特定のヒントとなった。(件の記念写真はリンク先のHIDE男氏のブログ参照されたし)

現地を訪れて周囲を眺めていたところ更に新たな発見があった。未特定だった20話ラストで姉弟がKとグラスボートに乗るシーンでボートから見た陸側が切り立った崖になっているのだがこの真栄田岬から東に沿った海岸線が正にそのような地形になっている。しかも新條、芝両刑事が泳いでいた砂浜は1kmほど東だったという事もあり資料用にスマホでなんとなく撮った画像と比べてみると稜線が一致しているように見える。それを踏まえてグラスボートから比留間親子の乗るくり船の背後はKたちがいた真栄田岬の突端の地形に見えるような…これに気づいたのは既に沖縄からの帰路についてからだったのでグラスボートに乗るのはまた次回持ち越しとなった。

出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」東映/フジテレビ 1973年8月16日放送

2025年7月6日日曜日

栄光の7人ライダー通り

 仮面ライダーストロンガー第39話「さようなら!栄光の7人ライダー!」ストロンガーの最終回であり仮面ライダーシリーズの終了として描かれた本エピソードは全ての悪の組織の首領でもあった岩石大首領を倒し平和をもたらした7人の仮面ライダーがマシーンに乗って去っていくシーンで結ばれる。またこの道は最終回の翌週に放送された特別番組「全員集合!7人の仮面ライダー!!」冒頭でも別テイク(カメラ位置を変えて7人ライダーが走ってくるシーン)が使われていた。

この走っていく道は台場大橋の北側で後方左側の建物を首都高13号地第2ポンプ所、後方のネットは現在の有明にあった東雲ゴルフ場だろうという考察から当初は青海だろうと考えていた。

このシーンについてライダー関連で著作も多いライターの堤哲哉氏が最近氏のX(旧Twitter)で興味深いオフショットを掲載されていた。サイクロン号に跨る2号ライダー、周辺にはカメラを構えたクルー達と原作者で39話の監督も務めた石ノ森章太郎氏の顔も確認出来る。興味深いのは後方に映る2棟の建物。当時の青海にはこのような建物はまだ建っていなかった。となると青海という当初の考察は的外れだった事になるが新たに場所を探すにはこの建物の意匠は大きな手がかりとなる。また当初の考察の中で東雲ゴルフ場というのは揺るぎないので防護ネットの支柱の映り込みから方向を絞っていけばエリアは限られてくるはず…

それらヒントから導き出したのがここ。中央右寄りの矢印がライダーの進行方向。右上の丸2つがオフショットに写り込んでいた建物。左側に広がる芝生が東雲ゴルフ場。現在のビッグサイトの北側には当時ゴルフ場があったのだ。

なお、写り込んでいた2つの建物は現存している。左側は東京港で働く労働者のために為に建てられた辰巳港湾住宅。NTT東日本辰巳ビル。
後方に映っていた建物は直ぐ後ろに建っているように思えたが望遠レンズの圧縮効果により大きく映っていたようで辰巳運河を隔てた先にある東京都下水道局東雲南ポンプ所(現存)の物だという事がわかった。

なお、この東雲南ポンプ所は仮面ライダーストロンガー第11話「カメレオーン!悪魔のフィルム!?」で別アングルが映り込んでいた。2020年に撮った対比画像を見ると庇の端は当時と同じ朱色に塗られていたが現在は緑系に塗り替えられていた。
現在との対比がこちら。またいずれ当時の撮影時期と合わせて冬場に撮影に訪れたいと思う。
出典:仮面ライダーストロンガー第39話「さようなら!栄光の7人ライダー!」1975年12月27日放送 特別番組「全員集合!7人の仮面ライダー!!」1976年1月3日放送 毎日放送・東映・石森プロ

2025年5月12日月曜日

海澤#1

瓢箪山の林道を走っていた敬介の前にフラフラと少年が倒れ込む。
敬介が走っていた林道は奥多摩の海澤川沿いの林道。東映作品御用達のロケ地三ツ釜の滝へと続く道である。
敬介の走っている道の左側は当時は谷になっていたが現在は埋められて道より高くなっている。
敬介の右側に見られる玉石の土留めは草の下に現在も残っている。
タケシ少年が谷から出てきた辺りは当時は沢まで車で乗り入れられるような道があったがご覧のように道より高く盛られ谷へは降りれない。後述するがこの後にタケシの話を聞いた藤兵衛が沢に着くシーンはここを下ったと思われる。左側の玉石の土留めも現存している。
出典:仮面ライダーX第17話「怖い!人間が木にされる!!」毎日放送/東映/石森プロ 1974年6月8日放送

2025年5月6日火曜日

金山ダム

 超人バロム・1第13話、劇中に登場する山北ダムは全景には黒部ダムの写真を流用、冒頭で姿を見た職員を殺すシーンは神奈川県の山北町にある内山発電所の取水口の前が使われている。また松オジがガードマンをしていたのは先の取水口の対岸にある山北発電所が使われた。その名称の通り丹沢の山北地区が使われていたがストーリー後半から場所を千葉に移す。ダムの爆破を阻止するためマッハロッドが走っていたのは鴨川有料道路、決戦のダムのシーンにはその有料道路近くにある金山ダムが使われているためである。鴨川有料道路は1990年代に入り撮影に使われた区間を迂回するルートが作られ一部が旧道化、2019年には全面無償化となっている。

1カット目は実際にはダムから離れる方向に向かっている。道路左側には当時と同じ場所に「右つづら折れあり」の標識が。
続くカットはカメラ位置を変えて同じカーブをダム方向に走っている。
マッハロッドが到着したのは金山ダムの洪水吐を渡るように掛けられた橋の上。
橋の上から右の上流側がダム湖。これは実際にダムから見た光景。
吊り橋を俯瞰するアングルは袂にあるトンネルの上から撮影されている。映像を見ると当時は土がむき出しになっているが現在の斜面はコンクリート吹付。足掛かりが無くトンネル上まで登るのに苦労した。

吊り橋を渡るマッハロッド。現在は老朽化で車両通行不可になっている。
ラストでマッハロッドが走っているのも先述の鴨川有料道路の旧道部分。
カットの最後、後方に鴨川有料道路第二隧道の扁額が確認出来る。
出典:超人バロム・1第13話「魔人タコゲルゲが子供をねらう!1972年6月25日放送 さいとうプロ・東映