2021年12月10日金曜日

三渓園

変身忍者嵐第34話で悪魔道人が狙ったとして登場する姫路城は一説にはロケで実際の城にまで行ったものの撮影許可が降りず城内での撮影が出来なかった為にやむなくお堀の外で撮影されたと言われている。本編を見ると姫路城全体の実景や特徴的な城壁の狭間(さま)などが映りいかにも実際の城下で撮ったように見えるが実は先述の事情で、スタジオの近場で城のように見える場所を使って違和感無く繋げているのだ。ストーリー冒頭、姫路藩主本多忠政の家来達を偽嵐が襲うシークエンスでは横浜にある三渓園が使われている。三渓園は京都や鎌倉から移築された歴史的建造物が建ち並び、さながら江戸時代の風景のような景観を見る事が出来る為、このような撮影には持ってこいかもしれない。
劇中では見難いが歩いてくる侍達の後方に見えるのは京都の西方寺にあったとされる御門(ごもん)。
家臣達に声を掛ける深編笠を被った怪しい侍
侍の背後の建物は元は和歌山の紀ノ川沿いに徳川家の別荘として建てられたという臨春閣。生憎撮影に訪れた時は改修工事中だった為に足場が組まれていた。
工事のシートが掛かっているものの撮影当時と買わない様子が窺える。
家老に事件を報告に向かう別の家臣
冒頭で一瞬確認出来る御門の前。門の先に襲撃現場の臨春閣も確認出来る。
水遁の術の修行をするツムジ
ここも恐らく三渓園内の蓮池だと思われる。襲われた小次郎を発見する際に水路のような場所が見えるが取材後に気づいたが現地には現在もそれらしき箇所があるようだ。
小次郎が今際の際に残した情報を確認しに広峰山に向かうタツマキ
丘の上に建つのは旧燈明寺三重塔。大正3年に京都から移築された園内で最も古い建物で重要文化財に指定されている。
タツマキが渡っていくのは園内に架かる観心橋。劇中では現在架かるものとは異なり擬宝珠の付いた親柱と丸い架木(ほこぎ)といった凝った意匠になっているが、橋の袂に掲示された古い写真を見ると最初期の物は現在と同じ角材で構成されたわりと質素な物だった事が分かる。劇中の2代目で少し豪華な橋にしたが現在の3代目で本来の意匠に戻したといったところか。
出典:変身忍者 嵐 第34話「謎のにせ嵐出現!!」NET / 東映 1972年11月24日放送

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