2022年2月16日水曜日

仮面ライダーX第2回撮影会

1974年1月中旬に行われた仮面ライダーXの第2回撮影会は恐らくクルーザー完成のタイミングでXのスーツはデザインこそ決定版と変わらないが素材がメカニカルライダーを表現したシルバーの生地だった。
撮影場所は造形を担当していたエキスプロがあった調布市品川通り沿いの路上だった。普段はこの程度の撮影会は生田スタジオ裏の公園かよみうりランドの脇の広場などが使われるが納品が間に合わないほど造形物の仕上がりが切羽詰まっていたのではないだろうか。
クルーザー背後のタイル張りの建物が現存している。
当時のエキスプロ跡地は一般のお宅が建っていた。
毎日放送 / 東映 / 講談社

2022年2月7日月曜日

牧港

 アジトに潜入を試みた芝たちだったが見つかって捕らえられてしまう。連絡の途絶えた芝たちを必死に捜索するロボット刑事Kだった…
ボートに乗ったKの一瞬のカット、船腹に"牧港ヤマハマリーン"とあるので牧港だろうと推測するも具体的な位置は分からず。対岸に映る小屋は80年代まで牧港川河口周辺に存在した水上仮小屋と呼ばれた漁民の漁具置き場だったそうだ。僅かに船揚げ場も見えるので湾に面した辺りだろうか。現在は河口の上を国道58号宜野湾バイパスが通り、小屋のあった辺りの護岸も綺麗に整備されすっかり当時の面影は無い。当時の生活スタイルを映す貴重な資料映像とも言えるのではないだろうか。



こちらは70年代の牧港の水上仮小屋捉えた8mm映像。ロボット刑事より数年後だろうか。

0391-00 牧港から田芋畑へ from 沖縄アーカイブ研究所 on Vimeo.

最後に:土地勘も無く沖縄の歴史にも浅学だったが筆者でしたがSNSを通じ沖縄のNPO法人「シネマラボ 突貫小僧」元代表 當間早志氏にロケ地に関する様々な情報を教示していただきました。また特定に関しても氏が以前にロケ地を廻られた時のツイートなどを参考にいたしました。改めてお礼申し上げます。

中城城

 東京へ向かう水爆飛行船を止めに向かうKの前にカラテマンが立ち塞がる。かつての王朝の城郭で最後の戦いが始まる!
カラテマン決戦のロケ地は中城村にある15世紀の琉球王朝の城跡「中城城(なかぐすくじょう)」が使われている。1972年の沖縄本土返還時に国の史跡に指定され2000年にはユネスコの世界遺産に登録された。返還以降、順に補修・復元工事が行われておりロボット刑事撮影時と若干変わった部分もある。翌年1974年には「ゴジラ対メカゴジラ」にて安豆味王朝の末裔那美が観光客相手に民謡を踊る場所として使われているがその際に石垣の上にシーサー風の彫刻が施されていたのが撮影用の作り込みだった事はロボット刑事を見ると分かる。

残波岬でのアジト脱出のシーンから変わって最初に映し出されるのが一の郭の北東城壁部分。

ここからの戦闘は一の郭内で撮られている。
戦いは一の郭東側の城壁の上に移る。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船東京へ!」



2022年2月6日日曜日

横浜市民ヨットハーバー

密室殺人の容疑者黒田のかつての共犯者伊達を追いヨットハーバーに向かった新條とK
ヨットハーバーには横浜市民ヨットハーバーが使われている。対岸に見えているのは横浜南火力発電所。

後方に見える根岸のコンビナートは沖に出たヨットから撮影されているので陸から近似値が得られるよう火力発電所辺りから撮影してみた。
出典:ロボット刑事 第1話「バドーの殺人セールスマン」第2話「目撃者はゼロ」フジテレビ/東映 1973年4月5、12日放送

三沢浄水所

警察署を出てきたところをいきなり襲われる山本刑事
警察署に見立てられている建物は日野市百草園近くにある東京都水道局三沢浄水所。建物が現存している。生憎立ち入って写真を撮ることが出来ないので柵の外から試行錯誤してみたが劇中アングルと対比出来るような写真が撮れなかった。その中の数枚を近似値で切り取って並べてみた。
建物の奥に張られた架線は京王電鉄京王線のもの。線路沿いだと分かる事はロケ地特定の大きなヒントになる。

出典:ロボット刑事 第25話「兇悪ガトリングマンのバドービールス作戦!!」フジテレビ/東映 1973年9月20日放送

那覇港

 東京から謎の女リン捕らえて沖縄まで来た芝たち。下船するタイミングに不意をつかれ逃げられてしまう。
下船のシーンでは実際にフェリーの到着する那覇港が使われている。
フェリーが接舷している岸壁の対岸は米軍の那覇軍港で、時代的にはベトナム戦争に使われるであろう船や資材が映り込んでいる。
ジョーカーに乗り込むカットでは後方に敢えてなのかタイアップのパシフィックホテル沖縄が映り込んでいる。現在の港の立ち入れる場所からは見通せなかったので敷地の外の通りから。

水爆飛行船の計画を阻止し帰郷する新條たち。
出典:ロボット刑事 第19話「沖縄の海に謎を追え!!」第20話「水爆飛行船 東京へ!」フジテレビ/東映 1973年8月9日・16日放送

仲泊海岸

ゼロの水爆飛行船計画を阻止した芝たちを沖縄で束の間の休暇を過ごす。
芝たちが泳いでいたのは先に見える島の形から仲泊海岸の砂浜で島は隣接した漁港の沖にある龍宮の島だと思われる。現在漁港周囲に堤防が築かれた為に島の頂部しか見えなくなってしまった。
漁港の堤防の立ち入れるところまで行ってみたが沖側にある直立した岩は見えず…この島は竜が祀られた神聖な場所で上陸してはいけないと言われているそうだが事件解決後の海のシーンは芝たち、Kと姉弟たちは別の場所で撮られていて観光タイアップもあるかも知れないが上原、金城が敢えて選んだ所縁の場所なのかも知れない。

出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」フジテレビ/東映 1973年8月16日放送

残波岬

 アジトに潜入しようとした芝たちは正体がバレて連行されてしまい、そこで水爆飛行船計画の背後にバドーが糸を引いている事を知る。
ゼロに歯向かった者たちは見せしめに処刑されてしまう…
処刑のシーンは残波岬の岩場で撮影されている。ダイビングなどで人気の観光スポットだが時折波に飲まれた釣り人が水死することもある危険な場所である。

飛行船計画を実行したゼロは芝たちを処刑しようとする。
執行寸前にアジトを脱出したKが助けに来た。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」フジテレビ/東映 1973年8月16日放送

国際通り〜第1牧志市場

芝と新條はアジトへの潜入を試みるも見つかって捕らえられてしまう。Kは唯一の手がかりリンを追うが…
Kが捜査していたのは那覇の有名な繁華街国際通り。Kの後方に見える赤いテント屋根のある大きな建物は国際ショッピングセンター(現存せず)。

道の向こうにリンを発見するK。しかしこれはKを誘い込む為の罠だった。
実際にはKが見た方向には当時は沖縄三越が存在していたが映像の雰囲気からするとどうやら別の場所で撮っているようだ。同じ国際通りのようではあるが70年代頃の三越の画像を検索しても劇中の雰囲気とは一致しない。
リンを尾行するK
このシーンでは先の国際通りから少し入った第1牧志市場近くで撮られている。建物の多くは現存しているものの上階から通りを見下ろすように撮られていてアーケードが設けられた現在では同じようにように見る事は出来ない。Kの左に見える「山里履物店」は2011年撮影のストリートビューで営業している様子が見られるが筆者が訪れた2017年時点では既に別の店に変わってしまっていた。
Kが曲がる角の店の前の2つのマンホールの位置が一致する。
別の看板に覆われてしまっているが劇中に映る「山里履物店」の文字が残る
ここは角を曲がる前に読める「玉突」の文字があった場所。現在も簾越しに○に「突」の文字が残ってるのを確認出来る。恐らくここの2階にビリヤード場があったのだろう。
カットの最後に映り込む「2階入口」の文字も残っていた。
筆者撮影の対比写真ではすべての店のシャッターが降りているが近年よく見られる所謂シャッター商店街とかではなく、日中は多くの人で賑わう場所で営業中であれば運が良ければ当時の事を知る方にも出会えるかも知れないが、商品の飾り付けや人混みで壁面の文字などの傍証が見えなくなる事を懸念して開店前の時間帯を選んで訪れた。現地に検証に行かれる際は時間帯を確認していくことをお勧めする。

出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」フジテレビ/東映 1973年8月16日放送

2022年2月5日土曜日

幸地腹・赤比儀腹両門中墓

アジトへの潜入を試みた芝と新庄も通信が途絶えてしまう。 唯一の手がかりのリンを街中で見つけ尾行するKだったが…
国際通りで発見し、第一牧志公設市場へ。更に場所は移ってリンが駆け込んだのは糸満市にある幸地腹・赤比儀腹両門中墓。

そこにはカラテマンが待ち構えていた。
カラテマンのマッハチョップに倒されるKだったがアジトを見つけるために倒れたフリをしていたのだった。
門中墓というのは一族で男系の親族全員を葬る沖縄独特の墓のスタイルで、ここは幸地と赤比儀という二つの一族が葬られた沖縄最大でも墓地だとされている。今では文化財のような扱いを受けているがあくまでも観光地という訳ではなく、また他のロケ地とも少し離れているので脚本家の上原正三かロケ地のコーディネートを手伝ったという上原の朋友、金城哲夫に何かしら何かしら所縁があったのかも知れない。
出典:ロボット刑事 第20話「水爆飛行船 東京へ!」フジテレビ/東映 1973年8月16日放送